文化の主要な特色10

『国際的消費者行動論』
第二章「コミュニケーターとしての文化」概論

International Consumer Behavior:
Its Impact on Marketing Strategy Development
Quorum Books, 1995.

文化は10の主要な特色を持っており,
それは社会における一般的なコミュニケーション活動を形成したり修正したりするのに重要な役割を果たす。
10の特色とは
「地域性,時間の概念,学習,余暇活動,連携,相互作用,最低生活水準,
プライベート空間,男女の役割分担,資源の利用」である。

1. 地域性
ほとんどすべての文化は世界中のどこにおいても,その地域に固有のものである。
文化の地域性は政治上の境界を越えるものである。

2. 時間の概念
文化において時間の相対的価値は,ライフスタイル,商慣行,さらには経済成長率に対してさえも影響を与えるものである。
「迅速性や時間効率性を追求する文化」と「それらを第一に追い求めない文化」とで対比できる。

3. 学習
文化によって学習過程もさまざまである。ある文化においては,学習とは「個人の経験」に基づくものである。
その一方で,他の文化圏においては「記述による学習」も普及している。
学習は,人々の個人的経験を意味する「感覚データ」あるいは,他の人々の経験による「記述データ」に基づくものである。

4. 余暇活動
余暇活動への参加が,積極的であるか受け身的であるかも文化によってさまざまである。
活発な余暇活動により多く関与している人々は,新製品の採用に対してもより革新的であるとされている。

5. 連携
私たちは,フォーマル・グループとインフォーマル・グループの双方において他の人々と一緒に集まる傾向がある。
連携の方法は文化によってさまざまであり,人々の好き嫌い,考え方,価値観,
およびその結果としての消費者行動パターンに影響を及ぼす。

6. 相互作用
話し言葉,書き言葉,そしてボディランゲージは文化や基本的価値観を反映している。
時制の存在しない言語もあれば,さまざまな雪の状況を表す単語を持つ民族も存在する。

7. 最低生活水準
人々の生活や社会システムは基本的に,最低生活水準によって維持されている。
最低生活水準がその社会のライフスタイルを決定づけ,それが消費行動に反映される。

8. プライベート空間
過密化した公共交通機関の状態に,ある文化圏の人々は耐えられても,耐えることのできない文化圏の人々も存在する。
すべての文化には,他人が入ってくるのを阻むある一定の空間がある。

9. 男女の役割分担
母権制的な傾向の社会がある一方で,父権制的な社会が存在するといったように,
男女の役割分担は文化によって実質的に異なる。性別に起因する役割と権力はさまざまである。

10. 資源の利用
世界には豊富な資源を保持する国と,資源を持っていない国とがある。
文化圏によっては限りある資源を有効に利用するための強い伝統が存在する。
その一方で,資源の過剰消費を容認する文化もある。

文化に関するこれらの特性が明確化され有効に利用されない場合,
マーケティング担当者が国際市場でインパクトを与えることは不可能である。

大石研究室
古川裕康 作成