欲求階層の国際適用

『国際的消費者行動論』
第六章「消費者行動における社会階層と欲求階層」概論

International Consumer Behavior:
Its Impact on Marketing Strategy Development
Quorum Books, 1995.

ここでは,世界市場間の相違を明らかにするための分析を提示する。
この試みにおいては,マズローの欲求階層理論が重要なツールとして用いられる。
世界市場が欲求階層の視点から分析されるならば,
ある商品やサービスの現在,また将来の需要を予測することが可能になるのである。

1954年に発表されたマズローの欲求階層理論は,マーケティング界に広く受け入れられてきた。
しかし,それを国際的に適用する試みはほとんどなされてこなかった。

階層モデルは,ある社会における経済発展レベルや,文化および社会心理学と関係がある。
著者は特に,経済的な状況とマズローの階層モデルとの結びつきを基盤として
世界市場を分類するという伝統的な手法を採用している。

世界市場と欲求階層の関連性を示したものが以下の図である。

低開発国は,彼らの基礎的な生理的欲求を満たすことに主たる関心を持っている。
基礎的な欲求を充足させた発展途上国は,安全・安心欲求に関わり合いを持っている。
そして新興産業国(NICs)は,階層における所属欲求と社会的欲求の段階に達している。
最後に先進国は,尊敬欲求のレベルに達している。

なお自己実現は,経済的状況と文化的価値観に基づいた
いかなる段階においても起こりうるものである。

階層の異なる段階に属するグループのサイズは,国によって著しく異なる。
この相違の一部分は,その国の経済的豊かさによるものであるが,
他の部分は文化的なものである。
また,それぞれの国が全く均質でないことが強調されなければならない。

大石研究室
古川裕康 作成