消費者の学習パターン

『国際的消費者行動論』
第十二章「学習と国際的消費者」概論

International Consumer Behavior:
Its Impact on Marketing Strategy Development
Quorum Books, 1995.

消費者の採用行動(リンク参照)では,行動の性向と実際の行動の間に
「その他の外部要因」と「その他の内部要因」が介在していた。

「その他の外部要因」では原産国の情報(リンク参照)が重要な影響をもっていた。
そして「その他の内部要因」には関与と学習が大きな影響力を持っている。
これら2つの要素は購買行動の最終段階において重要な役割を果たす。
前章では関与について検討されていた。
そのため,ここでは特に学習について検討している。

消費者の採用行動(リンク参照)では,
普及プロセスはすべての市場において全く同一ではないとされていた。
変化は消費者の製品学習速度によって生じている。

つまり,ある国において新製品の普及が全体的に早いのは,
迅速な学習の文化が反映されているためである。

その一方で,ある国において全体的に新製品の普及が遅いのは
緩慢な学習の文化が影響を与えているためである。

文化は学習スタイルにも影響を与えており,
国際的消費者の学習スタイルは次の6つに分類される。

<真面目な人>
探索し,分析し,情報を分析的に使用する。
認知的学習と事実に基づく情報を好む個人主義者であって,
個人主義工業社会において存在する傾向にある。

<活動的な人>
製品を使用したり,実際にやってみることで学習する。
このタイプも個人主義文化に見られがちである。
感情的影響に依存する受動的な人(後述)より
認知的な学習プロセスの対人的な影響をより重視する。

<観察者>
結果から観察し推論する。
このタイプは個人主義文化と集団主義文化の双方に存在する。
彼らは直接的,個人的には製品を試さないが,
製品を試す人を観察し,他者の経験を基礎として意見を主張する。
その後,彼ら自身で製品を試す。

<受動的な人>
基本的に無関心であり,見たり聞いたりしたことを
受動的に考慮して吸収することを好む。購買を学習とみなす。
感情的学習の対人的な側面を重視する場合が多い。
集団主義社会よりも伝統的社会に多い。

<詳細を好む人>
事実志向の学習者であり,詳細な学習経験を好む。
広告から学ぶのと同じように,他人の経験から学ぶ傾向にある。
感情レベルにおいて学習が起きる。
伝統的かつ集団主義の社会で一般的である。

<苦労する人>
学習をあてにならないと感じ,困難なものと考えている。
受動的で,非適応的であり,学習には真面目ではない。
感情的なレベルで学習し,個人間の活動によって影響される。
購買からは少ししか学ばない。

これらの学習スタイルに加え,様々な学習技術も存在する。それらは

使用することによる学習
広告からの学習
経験からの学習
行うことによる学習
購買時点からの学習

である。

学習スタイルと学習技術との関連性を示したものがこの図である。
よりよいコミュニケーションを世界市場の各々で国際的な消費者と共に行っていくために,
これらの関係を認識することは大変重要である。

大石研究室
古川裕康 作成