海外進出段階 ‐まずは標準化?‐

海外進出段階 ‐まずは標準化?‐

単純に「はじめて海外進出した企業」における
標準化-適応化パターンを考えてみると,次の順序になる。

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1. はじめて海外市場へ進出
2. 資金をはじめとした経営資源が限られているため,国内市場で売っていた商品をそのまま輸出
3. 経営資源の増強や現地情報の獲得
4. 徐々に海外市場へ適応した商品の開発へ

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海外市場に適応した商品を作るには,
それなりの費用や知識をはじめとした経営資源が必要になる。
そのため経営資源の乏しい初期の状態では,
おのずと母国市場で売っていた商品を「そのまま」海外市場で販売する
標準化戦略を採用することになる。

そして次第に経営資源を増強できると,
次に「海外市場へ適応した商品の開発」という選択肢が登場する。
つまり,このパターンで言えば,
まず標準化,そしてその後に現地化といった流れである
(便宜上このパターンを「パターン1」とする)。

※海外市場で経営資源を増強してもなお,標準化を推進する企業も存在することを予め断っておく。

しかし現実には,国内市場を出た途端,
現地適応化商品を販売する企業が存在する(パターン2)。
パターン1と2の違いは一体何処にあるのだろうか。

その一要因として「母国市場の市場規模」が挙げられる。
ほぼすべての企業は母国市場を持っているが,
そこでの市場規模が海外進出の際におけるパターンに影響をもたらしていると考えられる。
大きな母国市場で既に力を付けた企業は,海外進出時,すでに数枚の戦略カードを持っているのだ。

その一方で,小さな母国市場から海外へ進出しようとする企業にとっては,
海外進出時の経営資源が相対的に乏しいために持ち札が限られている。
この違いが海外進出のパターンに影響をもたらしているのだ。

なお,この他にもパターンに影響する様々な要因は存在する。
このテーマに関する議論は既に多くなされている。詳細な点は先行研究を参照されたい。

 

大石研究室
古川裕康