カテゴリー別アーカイブ: 文献レビュー

文献レビュー

ブランドはなぜ成功し,失敗するのか

大石研究室 博士後期課程の舟橋豊子が
田中洋先生編著(2012),『ブランド戦略・ケースブック:ブランドはなぜ成功し,失敗するのか』,
同文館出版の第Ⅱ部(CASE 6),145-156頁,

「独立行政法人がつくったブランド:フラット35」を執筆しました。

著書の詳細は下記リンクを参照してください。

大石研究室
古川裕康

多国籍企業と異文化マネジメント

太田正孝 (2008), 『多国籍企業と異文化マネジメント』,同文館出版。

企業がグローバル化すればするほど,
「異文化を どのようにマネジメントするか」
が多国籍企業の課題となってきた。

規模の経済や経営効率のみを志向する単純なグローバル戦略
を施行する時代への反動から,
現在は国際ビジネスにおける異文化アプローチが大きな注目と
強い関心を集めている。

そして本書はこの点に関して,一定の示唆を示している。
2011年,後期では本書を議論の題材として用いていきます。

大石研究室

文化商品の現地適応化

文化商品の現地適応化

 

企業の扱う商品によって,海外市場における販売の難しさは変化する。
特に「食品」をはじめとした文化色の強い商品は,
異なる文化圏で販売しようとした時,大きな壁に悩まされることが多い。

高いブランド価値を獲得し,困難を乗り越え,上手くいっている様に見えるマクドナルドも
市場によって大きな困難に悩まされている。
同社は米国発の企業であり,販売する「ハンバーガー」や,共に提供される「コカコーラ」は
米国の象徴とみなされる事も多い。今回は中国における同社の困難をとりあげてみたい。

マクドナルドは中国へ1990年に進出し,
いくつかの現地化を経て,次第に中国市場へ浸透してきた。
しかし現在マクドナルドは中国市場において,
同じ米国出身のケンタッキーに大きく水をあけられているのが現状である。
この2社の大きな違いのひとつとして,商品の標準化-適応化度合いを挙げることができる。

マクドナルドが基本的に世界標準化を軸とした戦略を採用している一方で,
ケンタッキーは中国市場において大幅な商品の現地適応化に着手している。
たとえば,ケンタッキーの商品には,中国人にとって親しみのある「お粥」や「焼餅」をはじめとした,
中国独自の商品を取りそろえており,店内も家族で食事しやすいような工夫を施してある。

そのためもあってか,中国人留学生達に聞いてみると,
彼らにとってはマクドナルドよりもケンタッキーの方に親しみを持ち,良く利用するという。

 

出所:マクドナルド中国とヤム・ブランズのHPを基に,毛(2011年度入学)作成。

 

ここで売上高をみると,世界での総売上高ではマクドナルドが上回っている。
しかし中国市場だけで見たとき,ケンタッキーを擁するヤム・ブラウンは
マクドナルドの何十倍もの売り上げを獲得している。
この差を「商品の現地適応化の賜物」とみるのはかなり早計ではあるが,
その一因を担っていることは確かであると推察できる。

 

米国と中国。その差は「地理的」な要因はもちろんのこと,
「文化的」にも「政治的」にも大きな差がある。
文化色の強い商品は,このような国家間の大きな差異に特に敏感であることを常に留意しなければならない。

企業が国際市場で展開する場合,世界的な規模の経済を得るのか,
それとも各市場に特化した戦略を採るのか,このジレンマは尽きない。
グローバル企業は,このバランスの最適点を常に模索している。

 

大石研究室
古川裕康

―参考文献―

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なぜグローバル化するのか

なぜグローバル化するのか

これまで多くの企業が国際市場に進出してきたが,
「なぜグローバル化するのか,そしてすべきなのか」といったことを改めて考えてみたい。

グローバル化の単純な動機としては,
「新市場開拓」や「安価な労働力獲得」などが良く挙げられる。

もっともではあるが,これでは
「グローバル化することによって得られる価値」についての分析が表面的である。

 

ゲマワット(下記リンク参照)は,グローバル化によって企業が得ることのできる価値を
次の6つにまとめている。

 

1.  販売数量/伸び率の向上

2.  コストの削減

3.  差別化・支払意思額の向上

4.  業界の魅力/交渉力の向上

5.  リスクの平準化(または標準化)

6.  知識(およびその他の経営資源や能力)の創造

 

ここで,すべての構成要素が同じように重要なわけではないことを注意しておく必要がある。
企業によって重要なポイントが変化するのである。
また同じ企業でも,自社の発展段階によって構成要素の重要度は変化する。

グローバル化に付随する一面的な魅力に憑りつかれて,
安易に国際市場に飛び出す企業は多いかもしれない。
もちろん企業にとって「国際化」は大変重要なキーワードである。
なぜグローバル化するのか。その意味をもう一度しっかりと見直さなければならない。

 

大石研究室
古川裕康

 

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コークの味は国ごとに違うべきか
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国ごとの差異を考える

国ごとの差異を考える

多国籍企業が海外進出するにあたって,
母国と進出先国の差異を考慮することは一般的である。

この差異を考慮するうえで,
文化的(Culture)・制度的(Administrative)・地理的(Geographical)・経済的(Economic)
といった4つの側面がよく議論される。
この4側面を用いた差異の分析はCAGE分析と呼ばれる。

文化的(Culture)な差異には,言語,民族,宗教,価値観,そして規範などがあてはまる。

制度的(Administrative)な差異には,地域貿易ブロック,貨幣,政治的な対立が該当する。

また地理的(Geographical)な差異には,物理的な距離,時差,気候などがある。

そして経済的(Economic)な差異には,貧富の差,天然・経済・人的資源などが該当する。

CAGEにおけるそれぞれの感応度は,
業種によって異なることを考慮しておく必要がある。
自身がどの業種かで,特に重要視しなければならない差異のポイントが変わってくるのだ。

それぞれの感応度に関する分析は
ゲマワット著のRedefining Global Strategyを参照のこと(詳細は下記リンク)。

CAGE分析は母国と進出先国の差異を分析する上で,
多国籍企業にとって大変有益な手法である。
しかしこの4側面以外にも多国籍企業が考慮しなければならない重要な側面が存在する。

母国市場と進出先国における市場の成熟度合いの差異などがこれにあたる。
このような限界を熟慮したうえでCAGE分析を行うべきである。

大石研究室
古川裕康

 

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コークの味は国ごとに違うべきか

コークの味は国ごとに違うべきか

Redefining Global Strategy: Crossing Borders in a World Where Differences Still Matter
Harvard Business School Press, 2007.
【邦訳】望月衛訳,『コークの味は国ごとに違うべきか ‐ゲマワット教授の経営教室‐』,2009年。

 

「世界はフラット化しつつある」という多くの主張(グローバリゼーション津波論),
そして企業の極端なグローバル戦略に対してゲマワットは疑問を呈している。

彼はいまだに「国ごとの地域色」が極めて濃い事実を各種データにより示し,
国ごとの差異に鋭敏であるように諭す。

グローバル市場ですばらしい実績をあげ,存在感を示し,
成功しているコカ・コーラでさえも上述した津波論の餌食になってきた。

なおコカ・コーラ社の事例は,ゲマワット著
Redefining Global Strategy: Crossing Borders in a World Where Differences Still Matter
に記載されているので参照されたい。

 

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【邦訳】望月衛訳,『コークの味は国ごとに違うべきか ‐ゲマワット教授の経営教室‐』,2009年。

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多くの企業が,まず世界標準化方策を行った後,急激に現地化へと方向転換を行う。
それを踏まえたうえでゲマワットは,
企業がセミ・グローバリゼーションという現実を学習することについて次のように述べている。

企業は過去の事例から学習するか,
あるいは試行錯誤によって痛い目に遭いながら
セミ・グローバリゼーションについて学習することになる。

グローバリゼーション津波論から出てくる

「成長崇拝」
「規模崇拝」
「国境の消滅」
「ユビキタス性」
「画一的戦略」

などといった一連の幻想に惑わされてはいけない。

大石研究室
古川裕康

 

-参考文献-
Redefining Global Strategy: Crossing Borders in a World Where Differences Still Matter
Harvard Business School Press, 2007.
【邦訳】望月衛訳,『コークの味は国ごとに違うべきか ‐ゲマワット教授の経営教室‐』,2009年。

詳細は上述リンクを参照のこと。

国際的消費者行動論まとめ

『国際的消費者行動論』
概論まとめ

International Consumer Behavior:
Its Impact on Marketing Strategy Development
Quorum Books, 1995.

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1.   文化の影響力

2.  文化の主要な特色10

3.  消費者行動の4グループ

Hofstedeの多文化社会理論

4.  文化研究

5.  国際的消費者行動モデル

6.  欲求階層の国際適用

7.  「和」(Wa),「人の和」(Inhwa),「関係」(Quanxi)

8.  イノベーション普及の国際的考察

9.  原産地イメージ

10.  国際市場細分化

11.  関与と国際的消費者

12.  消費者の学習パターン

13.   関与-学習マトリックス

14.   文化-普及マトリックス

15.   消費者行動と連動した包括的戦略代替案

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